シュリンク包装お役立ち情報局-日本テクノロジーソリューション

シュリンクトンネルとは?種類や仕組み、失敗しない選び方を解説

作成者: メルマガ担当 井上|2026年8月21日

一般的に、シュリンクトンネル(熱収縮トンネル)とは、フィルムをかぶせた製品を通すことで熱を加え、フィルムをぴったり密着(シュリンク)させる加熱設備です。主な加熱方式には「熱風式」「蒸気式(スチーム)」「熱旋風式」があり、対象ワーク(容器形状)や求める仕上がり品質、ユーティリティ設備に応じて最適な装置を選定することが重要になります。

担当者さん
 
手作業でのヒートガン作業に限界を感じてシュリンクトンネルの導入を検討しているのですが、装置の種類や選定基準がよくわかりません。
解説スタッフ
 
シュリンクトンネルは「導入のしやすさ」だけで選ぶと、導入後にシワやムラなどのNGが多発して後悔するケースが非常に多い装置です。方式ごとの特長や選定のコツを押さえておきましょう!

製造ラインや発送業務の中で、食品・化粧品・日用品などのパッケージ保護や集積包装に欠かせないのがシュリンク包装です。しかし、手作業や簡易的な卓上機では「シワや破れなどの不良率が高い」「作業者によって仕上がりがばらつく」「生産能力が追いつかない」といった課題に直面しやすくなります。

この記事では、シュリンクトンネルの基本的な仕組みから加熱方式の違い、現場で失敗しないための選び方まで、装置メーカーの視点からわかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • シュリンクトンネルはフィルムを熱で収縮・密着させる加熱設備
  • 熱風式・蒸気式・熱旋風式それぞれの特徴とユーティリティ設備の違いを把握することが不可欠
  • 導入コストだけでなく「多品種対応」「NG率」「作業環境」を含めたトータルコストでの選定が成功の鍵

シュリンクトンネルとは?

シュリンクトンネルとは、熱を加えると縮む性質を持つ「シュリンクフィルム(熱収縮フィルム)」を製品に被せた状態で内部を通し、熱によってフィルムを製品の形状に均一に密着させる加熱装置のことです。

トンネル状の構造になっており、内部をベルトコンベア等で通過させることで、短時間で連続して効率的なシュリンク包装を行うことができます。

フィルムを熱で密着させる加熱装置

シュリンク包装の工程は、大きく分けて「フィルムを被せる工程」と「熱を加えて収縮させる工程」の2つに分類されます。シュリンクトンネルはこのうち後者の「熱を加えて収縮させる機械」です。

手作業で工業用ドライヤー(ヒートガン)を使って1本ずつ収縮させる方法に比べ、シュリンクトンネルを使用することで以下のようなメリットが得られます。

  • 短時間で大量の連続処理が可能になるため生産性向上
  • 熱の伝わり方が一定になるため、仕上がり品質が安定しやすい
  • 作業者の熟練度やスキルに頼らない作業の平準化・省人化を実現

シュリンクトンネルの基本的な仕組みと流れ

 

シュリンクトンネルによる包装は、単に「トンネルを通して温める」だけではありません。美しい仕上がりを維持し、安定した生産ラインを構築するためには、「フィルム装着」「加熱収縮」の大きく2ステップが連動した仕組みを理解することが重要です。

1. フィルムの装着(投入工程)

まず、ワーク(商品や容器)にシュリンクフィルム(熱収縮フィルム)を被せる工程から始まります。

全自動ラインの場合は自動装着機(自動製袋機やフィルム供給機)によってフィルムがセットされ、手動や半自動ラインの場合は作業者が手作業でフィルムを被せます。

この段階でフィルムの被せ位置がズレていたり、サイズが合っていないフィルムを使用したりすると、後工程のシュリンクトンネル内でどれだけ綺麗に加熱してもシワや柄の歪みの原因になります。

2. トンネル内での加熱(収縮工程)

フィルムを被せたワークがコンベアに乗ってシュリンクトンネル内部へと入っていきます。トンネル内の熱風または、蒸気によって熱を加えることでフィルムが収縮して容器に密着します。

この収縮工程で最も重要なのが「均一な熱伝達」です。ワークの周り全体に均等に熱が伝わらないと、以下のような品質不良(NG)が発生しやすくなります。

  • シワ・収縮ムラ:特定の場所にしか熱が当たらず、均一に縮まない
  • あばた(収縮ムラによる色ムラ):熱の当たり方に強弱があり、フィルムの色が一部だけ薄く見えてしまう
  • ミシン目破れ・フィルム破損:局所的に強い熱が当たってフィルムが破れる

💡 豆知識:ヒートガンとは?~手作業によるシュリンク~


工業用ドライヤー(ヒートガン)によって手作業で一つ一つフィルムを収縮する方法もあり少量の生産には向いています。しかし、ヒートガンだと作業者の当てる角度や近さによって熱の伝わり方が毎回変わってしまい不良を生み出してしまいます。また、やけどの恐れもあるため注意が必要です。

 

 

シュリンクトンネルの3つの加熱方式と特徴 

 

シュリンクトンネルを選ぶ上で、最も重要となるのが「加熱方式(熱源の伝え方)」の違いです。

方式によって仕上がりの美しさだけでなく、ユーティリティ設備(電気・ボイラー等)の必要性、導入コスト、さらには現場の作業環境や後工程の作業効率まで大きく変化します。

比較項目 熱風式 蒸気式(スチーム) 熱旋風式
仕上がり品質
シワ・ムラが出やすい

非常に綺麗

蒸気式並みに綺麗
対応品種
異形容器・薄肉容器には✖

湿気に弱いものは×

異形容器にも対応
ボイラー設備 不要 必須 不要
商品の濡れ・結露 なし あり(水滴が付着する) なし
後工程への影響 スムーズ 水滴の拭き取りや乾燥が必要 スムーズ
省エネ・電気代 △(ボイラー燃料費) ◎(熱循環で省電力)

熱風式|導入しやすくコンパクト(ボイラー不要)

電気ヒーターで温めた空気をファンで吹き出し、熱風の力でフィルムを収縮させる最も一般的な方式です。

電源(電気)があればどこでも設置でき、蒸気ボイラーのような大型設備が不要なため、初期導入コストを抑えてコンパクトに設置できる点が大きなメリットです。

一方で、箱型や筒型などの単純な形状には問題なく使用できますが、複雑な凹凸のあるボトル(異形容器)や薄手の環境対応フィルムの場合、吹出し口からの熱風が直接当たる部分と当たらない部分で温度差が生まれ、「シワ」「あばた(収縮ムラによる色ムラ)」「フィルムの破れ」が発生しやすいのが課題とされています。

従って、印刷されたフィルムを扱うのは難しく、保護用の透明なフィルムでのシュリンク包装向きです。

蒸気式(スチーム)|美しい仕上がりだがボイラー設備が必要

高温の蒸気(スチーム)をトンネル内に充満させ、蒸気熱によって一気にフィルムを収縮させる方式です。

熱伝達率が極めて高いため、複雑な形状のボトルであっても360度均一に熱が伝わり、シワやムラのない圧倒的に美しい仕上がりを実現できます。飲料やコスメなどの美しい加飾フィルム包装で広く利用されています。

しかし、現場導入においては以下のような特有の課題があります。

  • ボイラー設備・配管工事が必要(本体価格以外の付帯工事費用が高額になりやすい)
  • ワークに水滴が付着する(トンネルから出た直後に商品が濡れており、すぐにダンボール梱包や箱詰め工程へ回せない)
  • 作業環境の悪化(工場内に湿気や熱気がこもりやすく、特に夏場は現場の結露や熱中症のリスクが問題視されている)

熱旋風式|ボイラー不要で蒸気式並みの美しい仕上がり

熱風式の「手軽さ(電気のみ・ボイラー不要・濡れない)」と、蒸気式の「美しい仕上がり」を両立させた先進的な加熱方式です。

特殊なノズル構造から吹き出す熱風でトンネル内部に高速の竜巻(旋風)状の空気の流れを作り出し、ワークの全周に一瞬で均一な熱を供給します。

💡 「熱風=仕上がりが汚い」という業界常識を覆す技術
「きれいな仕上げには蒸気式(スチーム)が必要だが、ボイラーは置けない」「商品の濡れや結露を避けたい」という現場の悩みを解決するために開発されたのが、この熱旋風式です。熱風循環機構により内部の熱を逃さず効率よく利用するため、電気代の削減や省エネにも貢献します。

失敗しないシュリンクトンネルの選び方

シュリンクトンネルは、一度導入すると長く運用する産業用設備です。自社のラインに合わない装置を選んでしまうと、「買ったのに仕上がりが悪くて使えない」「調整が難しくて現場が回らない」といった致命的なトラブルにつながります。

現場で後悔しないために、抑えておくべき選定ポイントは以下の4つです。

1. 対象ワーク(商品)の形状・シュリンクの目的

円筒形のボトルなのか、角のある箱モノなのか、あるいは背の高い容器なのかによって最適なトンネルの口径や熱風の吹き出し機構が異なります。

失敗例として、最初はふた部分の開封防止のためのキャップシュリンクだけだったため簡易的な設備を選んだものの、後にフルラッピングが必要になり、全体を均一に収縮できる装置が必要になったという事例もあります。

将来的な商品ラインナップの変更も考慮した方がよいでしょう。

2. 必要な生産能力(処理スピード)

「1分間に何個(何本)処理したいか」という生産ラインの能力に合わせてコンベア速度やトンネル長を選びます。

また、処理スピードと同じくらい重要なのが「多品種対応時の調整のしやすさ(段取り替え)」です。

単一製品しか流さない場合は初期設定のままでも運用できますが、複数の容器や異なる寸法の形状を流す現場では、品種切り替えのたびに温度・風量・コンベア速度の微調整が必要になります。

デジタル表示で設定値を管理できるなど、再現性がある装置を選ぶことで、現場の属人化を防ぐことができます。

3. 設置スペースとユーティリティ(電源・ボイラー等)

装置本体の寸法だけでなく、給排水配管や電源容量、周辺作業スペースの確保が可能かを事前に確認します。

特に蒸気式を選ぶ場合、ボイラー設備の設置スペースや配管工事費、排気・排水環境の整備が必要になります。また、工場内に高温多湿の湿気がこもるため、現場の結露対策や夏季の労働環境(熱中症対策)まで考慮した設計が求められます。

4. 初期費用(本体価格)だけでなくトータルコストで判断する

シュリンクトンネルの導入において、最も多くの企業が陥る落とし穴が「本体価格だけの比較で選んでしまうこと」です。

⚠️ 現場で実際に起きている「後々のコスト増加」
導入費用を抑えるために簡易的な卓上機や熱風トンネルを導入した結果、収縮ムラやシワによるNG率が高発。結局、現場の作業者が手作業(ヒートガン)で1本ずつ炙り直したり、破れたフィルムを引っぺがしてやり直したりするハメになり、多額の「人件費」と「フィルム資材ロス」が継続的に発生するという本末転倒な状況が発生しています。

さらに、NG品のやり直し作業をスポットの派遣スタッフやスキルの安定しない外部人材に頼ることで、仕上がり品質がさらに悪化するという悪循環に陥ることも少なくありません。

初期の本体価格だけでなく、「NG削減率」「検品・やり直しにかかる工数」「消費電力」「メンテナンス性」を含めたトータルコストで比較検討することが、本当の意味でのコスト削減につながります。

よくあるご質問

シュリンクトンネルとは何ですか?

フィルムをかぶせた製品を通すことで熱を加え、フィルムを密着させる加熱装置(トンネル状の加熱炉)のことです。ベルトコンベア等で連続して処理できるため、手作業に比べて大幅に作業効率と品質安定性が向上します。

シュリンクトンネルのメーカーはどこですか?

包装機械を扱う専門メーカーが製造・販売しています。熱風式を得意とするメーカー、大規模ライン用の蒸気式を得意とするメーカーがありますが、私たち日本テクノロジーソリューションでは「ボイラー不要で熱風式の弱点を克服した熱旋風式」のシュリンク装置が特徴です。

シュリンクトンネルにはどんな種類がありますか?

加熱方式によって大きく「熱風式」「蒸気式(スチーム式)」「熱旋風式」の3つに分けられます。導入のしやすさ、ボイラー設備の有無、仕上がり品質、商品の濡れ・結露の有無などに違いがあります。

シュリンクトンネルはボイラーが必要ですか?

「蒸気式(スチームトンネル)」を導入する場合は専用の蒸気ボイラー設備が必須となります。一方、「熱風式」や「熱旋風式(トルネード)」であれば電気のみで動作するため、ボイラー設備や配管工事は不要です。

まとめ

シュリンクトンネルは、手作業や簡易的な加熱作業からの省人化・効率化を実現する上で非常に効果的な設備です。

しかし、装置選定においては「価格面など導入のしやすさ」だけで判断してしまうと、導入後にシワやムラなどのNGが多発し、かえって手作業でのやり直しや資材ロスによるコスト増を招くリスクがあります。

自社に最適なシュリンクトンネルを選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 対象ワークの形状と将来的な多品種化(全体包装への対応等)を考慮する
  • 加熱方式の違い(熱風・蒸気・熱旋風)とユーティリティ設備(ボイラー有無)を確認する
  • 誰でも簡単に段取り替えができる操作性・再現性を重視する
  • NG削減率や現場の作業環境(結露・熱中症対策)も含めたトータルコストで判断する

失敗のないシュリンクトンネル導入によって、包装品質の向上と現場の負荷軽減を同時に達成させましょう。

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日本テクノロジーソリューションの熱旋風式シュリンク装置「TORNADO®(トルネード)」は、従来のシュリンクトンネルの課題をクリアした画期的な装置です。

  • ボイラー不要・電気のみで稼働:手軽に導入でき、商品に水滴が付く心配もありません。
  • 蒸気式並みの圧倒的な美しさ:独自特許の熱旋風(トルネード)方式で360度均一加熱。シワ・あばた(収縮ムラによる色ムラ)・破れを防ぎます。
  • 誰でも使える簡単操作:デジタル管理でパート従業員の方でも再現性の高い綺麗な仕上がりを実現します。

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