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シュリンク装置の選び方ガイド②フィルム装着編
ニッチな分野である「シュリンク包装」。
シュリンク包装機メーカーである当社にも、どの機械を選べばよいのかわからないというお話もよくうかがいます。
この記事では、これからシュリンク装置の導入を検討される方に向けて、3回にわたって装置の選び方をご紹介いたします。シュリンク包装において、「フィルムを商品に装着する」という工程と「フィルムを収縮させる」という2つの工程で分け、今回はシュリンク包装に必要な設備の中でもフィルムの装着をする機械について、どういった観点での装置選定が必要なのかご紹介します。
<シュリンク装置の選び方ガイドシリーズ>
③ シュリンク包装に必要な設備~収縮する機械編~
〇 シュリンク包装における2つの工程
前回のブログ記事でも紹介しましたが、シュリンク包装の原理は、熱を加えることで収縮するフィルムの性質を利用し、容器にそってぴったり収縮させること。
シュリンクフィルムについては前回の記事をご覧ください。
シュリンク包装は2つの工程に分けて行います。
①フィルムを装着する→②収縮する
まずシュリンクフィルムを商品に装着して、そして、それに熱を加えて収縮するという2つの工程になります。この記事ではまず、フィルム装着段階の装置を紹介していきます。
〇フィルムを装着させる機械の選び方
ケース①ボトルや瓶などのラベル・キャップ部分など、一部を覆いたい場合
生産量 | 方法・推奨設備 |
~1万本/日 |
2~3人で手かぶせ |
1万本~/日 |
・4~5人で手かぶせ ・ラベル装着機 (シュリンクラベラー) |
ー手かぶせ
シュリンクフィルムを一枚一枚手でかぶせる手法が一般的です。昨今は人手不足のため省人化、自動化を必要とする流れがあり、自動機械を導入するところが増えてきました。
ーラベル装着機(シュリンクラベラー)
ラベルシュリンクやキャップシュリンクのシュリンクフィルムを容器にセットする工程を自動で行う場合、シュリンクラベルフィルム自動装着機を使用します。
さまざまな形状の容器の胴部・キャップ部などに、印刷した筒状の熱収縮性フィルムを自動で被せる装置です。代表的な方式は直線式とロータリー式があります。
生産スピード | ラベル装着機 | メリット/デメリット |
~200bpm | 直線式 |
省スペース 多品種少量生産に向いている |
~1,000bpm | ロータリー式 | フィルムの供給部分が一台に複数あるため、高速生産可能 |
商品の種類が様々ある場合、段取り替えが必要になります。フィルムをロールごと交換したり、かぶせる際にフィルムを広げるフォーマーやフィルムを切るカッターなども交換します。
つまり商品の種類が増えると、交換部品自体のコストや段取り替え作業にかかる時間にも注意が必要です。
日本テクノロジーソリューションの「自動シュリンクフィルム挿入装置SPIRAL」は直線式で多品種少量生産に適しています。段取り替えが簡単に行えて、交換部品も少ないため多品種でもコストが抑えられます。
幅3500mm(コンベヤ含む)というコンパクトで省スペースなのも特徴で、様々な包装形態にも対応しています。
ケース②箱やチューブなど、全体を覆いたい場合
商品全体をフィルムで保護したい、いわゆる「全体包装」の場合は、図のようにシュリンクフィルムで商品を袋状に包みフィルムの開いた部分を溶着(シール)する機械が必要です。商品を密閉した後、シュリンクトンネルでシュリンクフィルムを収縮させ密着させます。この全体包装を行う機械を紹介します。
生産量 | 推奨設備 | ||
多品種小ロット | L型包装機 | ||
~千個/日 | 手動タイプ | ||
~千個/日 | 半自動タイプ | ||
数千個/日 | 全自動タイプ | ||
単一品種大量 | ピロー型三方シール包装機 |
◆L型包装機
2つ折りにされた原反ロールフィルム(半折フィルム)を用いて、フィルムの折り目以外の三面をシール(シール線はコの字)する包装機。手動・半自動・全自動があり、中低速機ではあるが包装寸法を容易に変えられるため、様々な被包装物に対応できる包装形態です。多品種小ロット向きです。
ー手動タイプ
商品をフィルムの間にセットしてシール台にスライドさせて、上からL型のシーラーを下ろしてきます。これでシュリンクフィルムで袋とじにされた商品ができあがります。次の工程でこれをシュリンクトンネルにセットして収縮させます。一つ一つ、フィルム縦の幅、横の幅を変えられるので、多品種少量生産に向いています。
下の画像は日本テクノロジーソリューションの「手動式L型包装機FIT-S」です。
ー半自動タイプ
半自動の定義はメーカーによって異なりますが、一般的なのは、手動タイプでシーラーを「ガシャン」と下におろしますが、この部分をボタン一つで自動でやってくれるというタイプ。これは、建築資材など大きいものを扱う際に便利です。
また、名前は同じ半自動でも、シールとシュリンク(収縮)が一体になっているものもあり、ガシャンのときにフィルムをシールするだけではなく、熱をかけて同時にフィルムを縮める装置もあります。フィルムを収縮させるシュリンクトンネルを別で持っている場合は必要ないですが、L型包装機とシュリンク装置を同時に導入したい場合はこれ一台で済むのは便利です。
ー全自動タイプ
手動タイプでも半自動タイプでも商品をシール台にセットするところまでは手動で行っていました。この作業も自動で行うのが全自動タイプです。全自動タイプはシュリンクトンネルに連結させて使用するか、メーカーによってはトンネルも一体型になっているものもあります。商品をコンベヤに置くだけで、自動でシール台にスライドし、シールして、そのままシュリンクトンネルに流れていき収縮までを全自動で行います。
これは、設定したサイズでシールをするようになっているので、多品種のものを流すには向いていませんが、同じものを大量生産する際には非常に便利です。
動画は日本テクノロジーソリューションの「全体包装機FIT」です。
◆ピロー型三方包装機
L型包装機と似ていますが、そのシール部分の形状が少し違います。原反ロールフィルム(フラット原反)を用いて、枕の縫い目のように、H型(三面)にフィルムをシールする包装機です。自動で、一定の大きさのものを高速で包装できるため、単一品種大量生産向きです。
〇まとめ
ここまで、シュリンク包装に必要な設備の中でフィルムを自動で装着させる機械について紹介しました。
包装範囲 | 品種 | 生産量 | 推奨設備 |
一部(ラベル・キャップシュリンク) | 多品種少量 | ~1万本/日 | 直線式 ラベル装着機(シュリンクラベラー) |
単一品種大量 | 1万本~/日 | ロータリー式 ラベル装着機(シュリンクラベラー) | |
全体 | 多品種少量 | ~1千個/日 | 手動L型、半自動L型(ワークが大きい場合) |
単一品種大量 | 数千個/日 | 全自動L型 | |
単一品種大量 | 1万個~/日 | ピロー型三方シール包装機 |
ラベルシュリンクやキャップシュリンクにはラベル装着機(シュリンクラベラー)を、全体包装にはL型包装機やピロー包装機が必要です。その中でも半自動タイプや全自動タイプなどありましたが、生産量、品種の多さなどによって、それぞれ適した装置を選びましょう。
第3弾では、シュリンクフィルムを収縮させる機械、シュリンクトンネルについて、それぞれの向き不向き、選び方をお伝えしたいと思います!
〇すでにシュリンク包装を検討されている方へ
現状、シールラベルだけどシュリンクフィルムにしたらどうなるか試してみたい、という方や、今は手作業でやっているけどシュリンク装置を使ってみたらどれだけ簡単になるか、どんな仕上がりになるか知りたい、という方にむけて、日本テクノロジーソリューションでは 「無料サンプル作成」 を行っております。一度お気軽にご相談ください。
〇シュリンクを活用したソリューション事例
シュリンク装置TORNADO🄬のメーカーである当社には、様々なシュリンク活用事例が満載です。