ニッチな分野である「シュリンク包装」。 シュリンク包装機メーカーである当社にも、どの機械を選べばよいのかわからないというお話もよくうかがいます。...
シュリンク装置の選び方ガイド③フィルム収縮編
シュリンク装置をこれから導入しよう、入れ替えよう、と検討されている方にむけて、シュリンク装置の選び方ガイドとして、3回にわたる記事でご紹介していく本企画。前回はシュリンクフィルムを装着する装置について書きましたが、第3弾である今回は「収縮する装置」について述べていきます。
<シュリンク装置の選び方ガイドシリーズ>
〇はじめに
シュリンク包装には商品の形状や包装する目的などによって種類がいくつかあり、その原理は、シュリンクフィルムに熱をかけると、縮んで商品にピッタリ密着するという仕組みでした。(→詳しく知りたい方は第1弾へ)
そして、シュリンク包装のための装置にはシュリンクフィルムを装着する装置、収縮する装置、大きく分けて2つの装置があり、第2弾ではフィルムを装着する装置の選定方法について書きました。(→装着機について知りたい方は第2弾へ)
今回は収縮する装置について選び方をご紹介していきます。一般的に、収縮する装置は「シュリンク装置、シュリンク包装機、シュリンクトンネル」などと呼ばれます。メーカーによって強みがあり特徴がありますが、大きな種類に分けて、適した装置の選び方、選定の観点をお伝えします。
〇シュリンク装置(シュリンクトンネル)の種類
代表的な方式は蒸気式と熱風式があります。
蒸気式は名前の通りシュリンク装置内に蒸気を充満させてじわじわとフィルムを縮めます。熱風式はシュリンク装置内で横から熱風を商品に当てて直接縮めます。熱旋風式は後発で生まれた方式ですが、熱風をコントロールして商品を包むような形でムラなく熱風を当てて縮めます。
ー工業用ドライヤー
見た目はドライヤーと同じで、工業用に高温の温風が出せるものです。商品を持つ方の手はやけどの危険があるので、絶対に手袋が必要です。
生産量が少ない場合や、一度シュリンクしたものでもしわやムラが残っているときの仕上げとして使われます。
ドライヤー(ヒートガン)
〇選定の際のポイント 各タイプ比較
ポイントに応じて選ぶ装置が変わるので、下の比較表にまとめてみました。
ポイント | 熱風式 | 蒸気式 | 熱旋風式 |
仕上がり |
△ | ◎ | ◎ |
エネルギーコスト |
△ | △ |
◎ 熱風循環機構による (TORNADO🄬の場合、後述) |
フィルム材質対応 |
△ | 〇 | 〇 |
段取り替え |
〇 |
△ | ◎ |
設置スペース | 〇 | △ ボイラーが必要 |
〇 |
後工程 |
〇 |
△ 水滴除去が必要 | 〇 |
環境面(CO2排出量) |
〇 |
△ | 〇 |
生産量 |
△ |
◎ 600bpm以上(飲料など)も可 |
〇 |
※bpm=bottle per minute 1分間で○○本生産するスピード
一般的に蒸気式は仕上がりが良好な反面、設備が大掛かりで収縮後の水滴除去も課題になります。熱風式は、仕上がりに問題があるとされていましたが、近年、熱旋風式シュリンク装置などが新たな市場を形成しています。
〇当社に寄せられた実際のケース5選
それでは、実際にどんな会社がどんな装置を選ばれたのか、事例をとってご紹介していきます。
■海苔製造業 プラスチック海苔ボトル 熱旋風式
卓上に置けて便利なPETボトルタイプの容器。ふたの部分も含む胴部全体をシュリンクフィルムで覆うような包装形態でした。生産スピードは毎分約30本。海苔を入れてふたを閉めてからシュリンクするので、蒸気式では海苔が湿ってしまうので使えません。切り替え前の機械は熱風式でしわやあばたなどの不良が出てしまっていましたが、当社の熱旋風式TORNADO🄬へ切り替えられ、不良を低減されました。
■なめ茸製造会社 瓶詰なめ茸 蒸気式
もともと瓶の胴部にシールを貼って、キャップシュリンクだけしていました。胴部もキャップも併せてシュリンクフィルムにすることで、作業効率を改善しつつ、見た目もデザイン性がUPしました。土地柄もあり、冬場は特に外気温が低く、瓶に熱が吸収されて仕上がりにくいということがありました。そこでシュリンク装置は当社の蒸気と熱風のハイブリットSUPER TORNADO🄬を選ばれました。
■缶詰メーカー 魚介類の缶詰 多品種 熱旋風式
缶詰めだけでなくパウチやレトルト商品の事業も拡大を図るなか、缶詰の紙ラベルを手作業で貼る作業に10名を要していました。そこでシュリンク装置を導入し、包装工程を自動化することで、新事業に人員や作業コストを回しました。既存のシュリンク装置もありましたが、簡易的な熱風式で、最近ディスカウントストアなどのプライベートブランドでもよく見る複数缶積み重ねてのシュリンクができませんでした。また、継続的に新商品も発売しており品種も多かったので、段取り替え、調整が簡単で、多品種生産にも向いている当社の熱旋風式TORNADO🄬を選ばれました。
■石鹸・洗剤メーカー ジャー容器・チューブ 熱旋風式
10名弱の石鹸メーカー。OEMでジャー容器とチューブのクレンザーの製造をすることに。はじめは月1万個ほどの生産量でした。ジャー容器の全体包装だけだと熱風式でもできそうでしたが、チューブは容器が柔らかく仕上がりが安定しないこともありました。さらに、将来的には印刷フィルムのシュリンクも話があったので、仕上がりもよく結果的に人件費もかからない、熱旋風式TORNADO🄬の導入をされました。
■虫よけ殺虫剤メーカー 20mlスプレー缶 熱風式
台紙にシュリンクでスプレー缶を固定するような形のパッケージでした。もともと工業用のドライヤーで生産していましたが、台紙に置くときの位置がずれたり、生産スピードが遅いのが課題でした。品種がこの1品種だけだったこともあり、汎用性の高さ、段取り替えの簡単さなどは必要がなかったこともあり、省スペースで導入しやすい1mサイズの熱風式シュリンク装置を選ばれました。
〇熱旋風式シュリンク装置「TORNADO🄬」
従来の熱風式のように省スペースで蒸気式のように仕上がりもいい。さらに、型替えも簡単。日本テクノロジーソリューションの熱旋風式シュリンク装置「TORNADO🄬」を紹介します。
3大特徴
①美しくシュリンクする
独自のトルネード方式で、四方向から熱風を吹き出して竜巻のように渦を作り、360°きれいに一瞬でシュリンクできます。そのためムラやあばたを作ることなく、美しい仕上がりを実現します。
②電力量を抑えランニングコスト削減
熱風循環機構は、熱風を循環させることで熱と風のコントロールを行い、全体の温度分布を一定にします。昇温後は循環構造により、外気を再度温める必要はありません。電力量は2/3(当社比)に抑えることができます。
③調整が簡単で多品種生産でも活躍
調整ポイントを、1.操作パネル(温度調節)・2.シャッター開閉(シャッター調整)・3.制御盤(風量調整)の3点に絞り込みました。全てデジタル表示されるものばかりなので、段取り替えもスムーズでパート従業員の方でも容易に扱うことができます。
〇シュリンク装置導入を検討されている方へ
現状、シールラベルだけどシュリンクフィルムにしたらどうなるか試してみたい、という方や、今使っている装置が老朽化して新しい装置探しているけど、どんな仕上がりになるか知りたい、という方にむけて、日本テクノロジーソリューションでは 「無料サンプル作成」 を行っております。一度お気軽にご相談ください。
〇シュリンクを活用したソリューション事例
シュリンク装置TORNADO🄬のメーカーである当社には、様々なシュリンク活用事例が満載です。